「手から生まれるカタチ」をコンセプトに、羊毛フェルトやテキスタイル、
アートプリントを使った創作活動で、国内・海外を問わずさまざまな作品を発表中。
また、主宰するアトリエ“YAIRA(ヤイラ)”をはじめ、各地で教室やワークショップを開講。
自分自身がワクワクできる作品を通じ、手を使って生みだす楽しさと大切さを
皆さんに伝え続けています。
■手を使って何かをつくること、それは自分を信じること
県立高校デザイン科、京都・嵯峨美術短大染織科を経て、川島テキスタイルスクール専攻科へ。
フェルト作家ジョリー・ジョンソン先生との出会いが、私の人生を決めました。
フェルトという素材のおもしろさ、手ざわりの心地よさに惹かれ、
フェルトをライフワークとして生きる道が生まれたのです。
私が「手」にこだわる理由。それは、川島テキスタイルスクール時代にあります。
恩師である木下初代理事長がずっと目指していた「手の復権」がそれです。
手と脳はつながっていて、手を使うことが脳を活性化させる。
だからこそ、楽しくなること、笑顔になれること、わくわくする気持ちを
増やすことに手を使って取組もう――これが「手の復権」です。
最近、手を使って何かをつくりましたか?
「第二の脳」と言われるくらい大切な手は、実はあなたが動かしているのではないのです。
モノづくりを前にした時、あなた自身の中からわきあがるワクワク、ウキウキする想いが、
あなたの手を動かし始めるのです。
「楽しい!」と感じる、あなたの気持ちを信じてほしい。
そして、あなたの笑顔を私に見せに来てほしい。
私はいつも、そんな想いで目の前の作品や生徒さんたちと向き合っています。
「自分が楽しいと思えることを信じなさい。やりたいことをやりなさい」
木下理事長のこの言葉が、私の原点なのです。
■表現することの楽しさを、アトリエの名前に込めて
現在、私の活動拠点はギャラリィカフェ“YAIRA(ヤイラ)”です。
ヤイラとは、羊の遊牧地という意味。
楽しく遊ぶ気持ちが育ち、様々な人やものが集まって来る所。
そしてここから、自由に広がってゆけるスペースでありたい。
そんな想いをこめて名付けた、大切な場所。
この自らの手で生み出した空間で、手から生みだす材料~羊毛やテキスタイル、
アートプリントを使い、作家として創作活動に励み、
講師としてハンドメイド教室に取組んでいます。
自分がやってみたいこと、楽しいことに、ワクワクしながら
取組める人を見るのは本当に楽しい時間です。
「教室のある日は朝からうきうきします。
私のそんな様子から、家族も『あぁ、今日は教室の日なんだ』とわかるくらいです」
ある生徒さんが話してくれました。
毎日、家族の介護に従事され、この教室が唯一自分に使える時間。
毎回楽しみにやって来られます。
まさに、フェルト作家としての私の原点を実感するひと時です。
私の教室の特徴は、参加する生徒さん一人ひとりの取組む内容が異なること。
大切にしているのは「型にはめない」「つくり方を押し付けない」「失敗も気にしない」
「生徒さんの想いに合わせる」ということ。
みなさん、習うというより楽しむために来られています。
扱う素材は、羊毛をはじめビーズ、織、染め、編み物など。
一つひとつの素材単体だと美しく収まるのに、組み合わせようとすると
作品がかっこよくまとめられない……。
そんな生徒さんも、それぞれの素材が持っているいいものを
コーディネイトしながら編集することで、既存の枠から飛び出す楽しさや、
形としての表現方法を発見することができています。
■体の中からわきあがる想い、意識が求める色を味方に
例え、手に力が入らないハンディを持っていても、楽しい作品づくりは十分できる――。
そんな究極の「手の復権」をもっとお伝えするために、「体」と「色」からの
サポートも行っています。
まずは、体です。
人は、自分が健康だと感じられる体があればこそ、ものづくりも楽しめるもの。
そこで私は、生命力あふれる健やかさと美しさを手に入れるための
「ハーモニクスメソッド」という手技の公認インストラクターになりました。
体全体のバランスが整うことで、手から脳へワクワクする楽しさがより確かに伝わってゆくのです。
そしてもうひとつが、色です。
私の作品の特徴は、色づかいにあると言われます。
たくさんの色をつかっても、色同士が仲良しだと言われるのです。
「色が、はじけている」と。
色は、意識を高め、気持ちをワクワクさせてくれるもの。
今その人が意識を向けるべき色や必要な色を、色彩研究の学びをもとにアドバイス。
ものづくりをもっと楽しみたくなる色を、日常に採り入れるためのお手伝いをしています。
「手から生まれるカタチ」。
それは、あなたを笑顔あふれる生活へ寄り添い導く、私の使命。
そして、生きることを楽しむための、あなたのライフワークなのです。