幼い頃から、本が大好きな子どもでした。
人生で手にした本の1冊目の記憶は、
ディック・ブルーナの
「ゆきのひのうさこちゃん」です。
読書は、お好きですか?
小学生の頃は、図書室に並んでいた本を読み切り、
学生時代のアルバイトは文庫本代のため。
新聞記者への夢の道はコピーライターにそれましたが、
「辞書も愛読書」という活字中毒は、今も変わりません。
読むことだけでなく、作文や感想文を書くことに興味が湧き出すと、
本を読む視点が変わっていきました。
「この言い回し、おもしろい」
「ここで改行するの?」
「こんな漢字の使い方があるんだ」
小説も、参考書。
見るものすべてが教科書になり、文章づくりのお手本になっていきました。
コピーライターになり、最初に受けた指導は、
有名なライターのコピーや、広告賞を受賞した作品を「書き写す」こと。
当初、他人のコピーを写すだけで文章力が磨かれるのかと、
いぶかったものですが、実は、この作業の積み重ねが、
文章づくりの基礎力になったのです。
文章づくりは、読むことからはじまります
もっと、文章づくりが上手になりたいと、思っているあなたへ。
まずは、気になる著者の本をゆっくり、丁寧に読むことから始めませんか?
文章づくりは量稽古。上手になりたいなら、数を書こう……と言われますが、
それと同じくらい「読む」量も大切です。
言い回しの工夫や語いの数、文章の組み立てといった目に見えるものは、
あなたが文章づくりに取り組む際のストックになります。
引き出しに収まる量が増えるほど、取り出して使える言葉も多くなり、
文章で表現することが楽しくなってゆくはずです。
また、息の継ぎどころや文章の間(ま)といった空気感、
物事をとらえる世界観といった、目には見えないものも、
ちょっと意識を向けていれば、いつの間にか身につくもの。
「読みやすい」と言われる文章が、あなたの手からも生まれるように
なっているかもしれません。
文章づくりとは、どんなものが、どれだけの量、自分の中に満たされているかで、
「好き」と「嫌い」、「得意」と「苦手」に、分かれると言っても、
決して言い過ぎではありません。
素敵な文章にたくさん触れて、まずは文章そのものが
「好き」な人でいてくださいね。