おけいこ事を始めた時、誰でも基本を習います。
「守破離(しゅはり)」という言葉を耳にしたことはありますか?
「守」まずは基本通りにやってみる
「破」自分らしさを少し取り入れてみる
「離」基本を離れてオリジナル化する
上達へのステップを表したものです。
スポーツでもおけいこでも仕事でも、
最初は基本が身につくまで、お手本通りにやってみることが
大切だという意味ですね。
「仕事って、お役立ちです」
それは今から8年前、初めて受講した起業家向けセミナーでのこと。
講師の口から出たこの一言で、仕事に対する私の世界観がガラリと変わりました。
「仕事って、自分が好きなことを、自分のためにするものじゃない。
できることを、誰かの役に立つために活かすことだったんだ。」
文章を書くことを仕事にしている人は、
ただひたすら文章を書いていると思われがちですが、違うんです。
私たちの最も大切な仕事は書くことより、「聴く」ことだったりします
(これを「ヒアリング」や「取材」「インタビュー」と呼んだりします)。
「お母さん、それは過保護とは言いません。
“マネージャー”って言うんですよ」
ある時、息子のカウンセラーさんが、そう声をかけてくださいました。
そうか、そう呼べばいいんだ!
肩の力が抜け、心がほぐれていきました。
コーヒーが好きです。
引っ越し前、通勤の道すがら、よく立ち寄るコンビニがあったのですが、
このお店には「紙コップの継ぎ目に、ふたの飲み口を重ねないで」って
注意書きが貼ってありました。
そうなんです。ここを重ねちゃうと、飲もうとしてカップに口をつけ、
傾けた瞬間にコーヒーがこぼれます!
(悲しいかな実証済み。白いシャツにシミをつけました……)
相手がとるであろう行動の先を読んだ、ちょっとした配慮。
配られた心の温かさを受け取ると、やっぱりうれしいです。
コピーライターとしての修業時代、制作チームの指揮を執るディレクターに
常にいただくアドバイスがありました。
それは
「触(さわ)れる言葉を使いなさい」
というものでした。
「え⁉ 言葉って触れるの?」って思いましたか?
メールを送る時、誰に向けて送るのか決めてから書きますね。
料理をする時、何を作るか決めてから取りかかりますよね。
電話をする時、相手に何か行動してほしいことがあるから、電話をかけますね。
それでは、文章を書く時「誰に」届けたいのか、決められていますか?
「何を」伝えればいいのか、きちんと用意して取りかかっていますか?
読んでくれた人に、その後どうしてほしいのか、
まだ考えられていないのではありませんか?