子どもの頃から、大の野球好き。
そんなストーリーに、感動が生まれるシーンのひとつにドラフト会議があります。
プロ野球選手を目指す高校生や大学生、社会人チームの選手たちを
各プロ野球チームが「うちに来て!」って、交渉するための権利を
抽選で決める制度です。
その中で、個人的に気になる報道が、毎年繰り返されています。
心がざわつく「外れ1位」「指名漏れ」
「指名漏(も)れ」「外(はず)れ1位」という言葉を
「指名漏れ」とは、プロへ進みたいと志望しているのだけれど
残念ながら、どのチームからも「うちに来てほしい!」と
希望してもらえなかったこと。
「外れ1位」とは、自分のチームで1位指名をしている選手が、
他球団と重なった時の抽選に外れた際、次に指名する1位選手。
時には、2巡目でも希望する選手の抽選に外れてしまい
3巡目にして、ようやく交渉権を手にできて
「外れ外れ1位」なんて呼ぶこともあります。
この表現、目に、耳にするたび私の胸の奥で、ざわっと波風が立つのです。
言葉にも敬意を込めよう
チームにとって、また報道機関にとって選手は商品かもしれません。
でも、やはり感情を持った人間です。
言葉を扱ったり新しい言葉や表現をつくったりする立場として
相手への敬意だけは忘れたくない。
ドラフトは、文章をつくることを仕事にしている人間として
原点ともいうべき想いに、立ち返るきっかけになっています。
相手への敬意を込めるのに、難しい表現を選ぶ必要も
かしこまった言葉を探す必要もありません。
ただ、その言葉が向けられるのが「もし自分なら」と
少しだけ相手の気持ちを想像して、丁寧に見極めること。
大丈夫か、大丈夫じゃないかを確かめるための「ひと呼吸」を
自分の中に持っていたいと思っています。
正しさより、気持ちよさ
以前、取材をさせていただいた方はモノを判断する時
「正しいより、気持ちいい」を優先させたいと語られました。
この表現をお借りするなら、世間の当たり前より
自分を基準としている想いを大切にしていたい。
だからこそ、自分の軸をしっかりと定められるよう、
日々の暮らしやその時の気持ちを丁寧に扱っていこうと思うのです。
言葉にも、自分の軸を持とう♪
あなたも、拠り所となる言葉選びの軸を育ててくださいね。