コピーライターとしての修業時代、制作チームの指揮を執るディレクターに
常にいただくアドバイスがありました。
それは
「触(さわ)れる言葉を使いなさい」
というものでした。
「え⁉ 言葉って触れるの?」って思いましたか?
伝わる言葉には、体温があります
触れる言葉とは、その言葉で表現されている状況が読んだ人の目に浮かび、
自分の体験として思い出せ、書き手と共有できる言葉のことです。
例えば……。
「福山雅治が好き!」って言うより
「福山雅治と、恋人つなぎで歩きたいっっっ♪」って言うほうが、
ただ「好き」って言われるより、気持ちが伝わってきませんか?
好きな人と手をつないだ経験がある人なら
(相手が福山雅治じゃなくても……)
恋人つなぎで歩いたときを体験として思い出し、
ドキドキする気持ちを共有することができます。
そのとき伝わってきた相手の手の温もりも一緒に想像できるので、
言葉に「体温」を感じられるのです。
文章力より「共感力」を磨きましょう
キャッチコピーもブログの記事タイトルも、
「あぁ、わかるわ~」とか「それ、私のことだ!」って、
読む人に同じ気持ちになってもらえて初めて伝わるもの。
つまり、共感される言葉や表現をどれだけ思いつけるかなのです。
身近な例を挙げるとすれば「簡単にできます」と伝えたいとき。
貼るだけなのか、置くだけなのか、並べるだけなのか。
レンジでチンするだけでいいのか、茹でるだけなのか、混ぜるだけなのか。
「簡単」という言葉では、書いている人と読んでいる人が同じ体験ができませんが、
上記のようなもう一歩踏み込んだ言葉なら、想像も共有もできますね。
すると、読んでいる人が「あら、簡単♪」って、
勝手にメリットを感じてくれるのです。
さて、あなたの言葉は触れますか?
体温が伝わりますか?
同じ体験を読み手と共有できますか?
簡単に使えるシンプルな言葉ほど、共感されにくいものです。
あなたの文章を読んでほしい人と、どんな体験なら同じ気持ちを