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正しさだけが言葉じゃないから

2025/01/30

辞書がある場所

正しさだけが言葉じゃないから


原稿と向き合うときは、辞書を手元に。


そう習ったのは、もう何年前でしょう。




今なら、「電子辞書を」とか「Google検索で」とか、


いやそれより「チャットGPT」でなんて指導されそうですね。




国語辞典、漢和辞典に加え類語辞典とか、慣用句時点とか


色んな種類がありますが、もうひとつ、みんなが持っている


辞書をご存知ですか?




文章を書くことが怖くなっていった時期、


救われたのは「日本語に絶対の正解はない」という


校閲講座での一言。




そしてもうひとつ、「書く怖さ」を少し手放せるようになった


言葉との出会いがありました。



料理に“たたずまい”は、間違いなのか?



以前、書かせていただいた原稿の中で


「たたずまい」という言葉に触れる機会がありました。




想いを持って食材に向き合う料理人がつくりだす料理には


「たたずまい」がある……と言いたかったのです。




*「たたずまい」とは……
そこにある「もの」のありさまや、その「もの」のかもし出す雰囲気のこと




ところが、原稿をチェックする担当者の方から


「料理に“たたずまい”という表現は使わない」と指摘され、


書き換えるよう指示されたことがありました。




確かに文法の視点からだけ考えると、料理には不向きな表現だと


受け取られても仕方なかったかもしれません。




でも、敢えて使うことで


「表現したい想いが伝わる言葉選びだってあるはずだ」


と思っていた私はそう主張し、押し問答になってしまったのです。




しかし、最終的には書き直しを余儀なくされ、


割り切れない気持ちを持て余していました。




ちょうどそんな時、あるコラムを目にしました。


 


「人は言葉を聞いた時、心の中の辞書に照らして、


自然か不自然かという区別をしている。


人の心の中には辞書がある。」




心の中の辞書。


素敵な表現です。




この言葉をお借りすれば「たたずまい」も、


私の心の中の辞書によるものでした。




同時に気がつきました。担当者の方の心の辞書には

存在しない表現だった――。

そう、ただ、それだけのことだったんだって。



少しだけ、ほっと安堵したものです。



正しさだけが、言葉じゃないから



明らかな間違いは訂正されるべきですが、


自分なりのこだわりや感覚に基づき、説明したい想いがある言葉は


あなたにもぜひ使ってほしい。




一人ひとりの心にある辞書を、大切にしていただきたいのです。




そう考えると、どんな言葉や表現にも、目には見えないだけで


書き手の想いが存在しているのだと気付きます。




日本語に「明らかな間違い」なんて、実は存在しないのかもしれません。




文法的にも誤りのない、「正し過ぎる」言葉って、


人の心に印象を残すような魅力を感じないのは私だけ?




さて、あなたの文章はいかがですか?




文章づくりは、想いづくり。


正しさより、あなたらしさを大切にしてください。




「文法を間違えていないか心配で、発信できない」


「正しい言葉づかいに自信がない」




そんな理由で「文章を書くのが楽しくない」と思うあなたへ、


この言葉を届けます。




正しさだけが、言葉じゃないから。


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