「文章を書き上げるのは大物作家でも難しい」
これは、韓国の作家ナムグン・ヨンフン氏の言葉です。
新刊『みんなが読みたがる文章を書く方法』の出版にあたって書かれた
書籍の紹介記事を見つけたのですが、その中で
「まず書き上げることができる人が少ない。仕上げられる人には才能がある」
というフレーズに、心を惹かれました。
そうです。文章を書くって、実は私たちが想像したり、日々、実感している以上に
なかなかハードルの高い作業だったんです。
文章を書くのが苦手?……それはあなたのせいじゃない
書籍紹介の中で取り上げられているのですが
人の脳は、「できる限り文章を書きたくない」のだそう!
文章を書くことは、基本的に「苦痛」な行動だというのに驚いてしまいました。
そりゃ、ブログにせよ、企画書にせよ、書き上げるのは大変なはずです。
「私、文章を書くのが苦手で……」と言っている人も、
その人の特別な短所ではないということ! ちょっと安心できますね。
生きるために必要な行為は、どれだけ多くのエネルギーを消耗するとしても
脳は拒否しないそうですが、「書く」ことは生きることに直結しないため
拒否されてしまうんですって!
体が拒否する「書く」ことに、どうしたら挑戦し続けることができるのか。
著者がピックアップしている4つの方法を、身の回りに照らし合わせながら紹介したいと思います。
いい文章を書くための4つの方法
- とにかく何か書き始める
- 自分が書いた文章をほめる
- 作業は一度にひとつずつ
- 本を読もう、自分を取材しよう
① とにかく何か書き始める
原稿に向かう日の私の朝は、ブログを書くことから始まります。
ウォーミングアップになっているんですが、実はこれがいい文章を書くための行動だったと知りました。
要は、脳が書くことを拒否するなら、この行動が「書く作業だ」と脳が気づく前に、書き始めてしまおうということです。
すると、脳は当然の行動だと認識するようになるそうです。おもしろい!
とりあえず、ペンを手に紙に何かを書く。キーボードをたたく。
著者曰く「自分の名前でも構いません」。
「才能がある人は、まず書き始める人」という著者の言葉が、なんだか深いなあと感じました。
② 自分が書いた文章をほめる
自分が書いた文章を読み返し「下手だなあ」「もうちょっと上手に書けないかなあ」
と、自分を下げてしまったり、文章を否定してしまったりする人は多いものです。
ほめられないと、どんな人だってモチベーションは保てませんよね。
文章は、書けば書くほど上手になるもの。だからまずは、今「書いている」ことが素晴らしい!
書き上げることができたら、それだけで十分ほめるに値することです。
特に、最初に書いた文章は、プロだって決して「上手」とは言えないレベルです。
そこから何度も読み返して手直しを加え、いい文章に育てていきます。
まずは書き上げたことを、自分でほめてあげましょうね。
③ 作業は一度にひとつずつ
人間はもともと、マルチタスクができないのだそうです。
そういえば……メジャーリーグの試合をネットで観戦しながらブログを書こうとしても
全く行数が増えていかない……ってこと、実はしょっちゅうあります……。
文章を書くという作業ひとつをとっても同じことが言えるんです。
何から書こうか、最後をどんな文章で終わろうかと、組み立てを考えながら
漢字を間違えてないか気にしていたり……。
改行の位置を考えながら、一行目に迷っていたり……。
同時に2つの作業をしようとせず、組み立てだけ考える、漢字のチェックだけをする、
改行位置にだけ注意する、一行目の書き出しだけ思案する。
作業は一度にひとつと決めましょうね。
④ 本を読もう、自分を取材しよう
文章を書くためには、自分の中に「書くべきもの」がなくてはいけません。
著者も薦めていますが、まずは、たくさんの本を読みましょう。
知識や情報、表現、言葉遣いなどなど……。
日頃からストックをたくさん用意しておきましょう。
さらに、自分らしい文章を書くためには、自分の気持ちや感情に敏感になることも大切!
なぜ美しいと思ったんだろう。どこが楽しいと感じたんだろう。
悲しいと思ったのは何が理由なんだろう。
その都度その都度、自分に質問を投げかけてみてください。
その時の感情こそが、あなたの言葉になって文章を紡ぐ素材になりますから。