「その名前じゃ、本当に必要とする人に利用してもらえませんよね……」
会議の席で指摘が入ったのは、参加していた
ある行政団体から配られた一枚のチラシでした。
本当に届けたい人には、響かないかもしれないと
ネーミングは「見る」と「理解する」が同時にできてこそ価値がある
「このネーミングでは、結婚していない人は
利用できないですよね」
チラシに書かれていた名前は
「配偶者暴力相談支援センター」
いわゆるDVの相談が増えてきている昨今、
行政として解決につながる相談の窓口を設け
「配偶者と書いてしまっては、学生のデートDVや
結婚していない人は相談がしにくいのでは?」
と、鋭い指摘が入ったのです。
提供したい内容は、相談に緊急を要する人もあるため
「すぐに変更されては?」と声がかかっていました。
チラシをつくった側が利用を促したい対象者と
チラシを手にしたときに「自分に関係のあるサービスだ」と
思ってもらえる人の間にギャップが生まれてしまう……
気になって調べてみると、内閣府の男女共同参画局が
「恋人や未婚のパートナーも、学生も相談対象」
しっかりと向き合って用意されたのか
安易さを少々感じてしまう仕上がりに
言葉の大切さ……言葉の力に
もっと気付いてもらいたいなあと感じてしまいました。
「名前を変えるかどうかわかりませんが
チラシに掲載する言葉は、イメージしたり理解したりすることに
時間がかかっては、届けたい人に届きません。
1回3万円の施術サロンが「粗品」をプレゼント?
あなたの商品・サービスの名前や
あなた自身の肩書きは、いかがですか?
本当に届けたい人のことを考えたものになっていますか?
ネーミングやキャッチコピーに限らず
チラシの案内文ひとつをとっても
「誰に届けたいのか」をしっかりと把握することはとっても大切。
例えば、ゴージャスな空間で1回の施術料が
数万円というビューティサロンさんが
お客様への来店プレゼントを「粗品」と表現してしまったら……
せっかくの非日常イメージが台無しです。
いきなり、ネーミングや肩書き、キャッチコピーなど
考える時間が必要なハードルの高いものから取り組まなくてもいいんです。
ちょっとした案内の、言葉選びから意識を向けてみてください。
こうした言葉を考えたり選んだり、探したりするときのコツは
自分が届けたいお客様と同じようなお客様の層を見据えている
他社・他者の言葉を参考にしてみること。
要は、自分が書きたいことを書かないってことです。
あくまでも目線はお客様へ。
そのためには、あなたが出会いたいお客様を
じっくり考えましょうね。
あの会議で話題に上った相談窓口のネーミング、変更されたかなあ……。
すぐ行動に移せるかどうか、ここも
お客様とつながるためには大切なポイントですね。
一人じゃ難しいなあと思ったら……