ライティングを仕事にしている人が一番力を入れることは、
意外と、書くことじゃなかったりします。
え? じゃ、何するの?
実は、「調べる」ことです。
事前の情報集めですね。
「書く」ために「書かない」ことから始める
私の大好きなライターさんに小松成美さんという方が
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先日、殿堂入りを果たしたメジャーリーガー、イチローさんや
サッカー日本代表として活躍された中田英寿さんなど
「取材が難しいアスリート(下手な取材には答えてくれない……)」と
いわれる人たちからも一目置かれる、ノンフィクションライターさんです。
どうして彼女には、みんな心を開いて何でも話をするのか。
なぜなら、取材の準備と下調べがすごいからです。
小さな新聞記事に至るまで、様々な資料を探して目を通し
人物像を組み立てて質問を用意し、取材に望まれます。
「生意気」と煙たがられた若かりし日の中田さんには、
この下調べによって、彼の背景にある「生意気」ではなかった本当の想いを
事前にくみ取り、がっちりとハートをつかんで話を引き出し執筆されました。
そしてもう一人、大好きなスポーツライター石田雄太さん。
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大谷翔平選手のインタビュー記事は、某スポーツ雑誌では、すっかり恒例。
テレビ局勤務時代には、上司に「やり過ぎ」と叱責されようとも
「野球選手に取材するのだから、野球を知り理解しなくては」という敬意を込めた持論のもと、
今も、勉強や研究を重ねて取材を続けられていますが
豊富な知識に裏付けられた、豊かな洞察力から投げかけられる
質問の内容が上質なので(偉そうでごめんなさい……)
大谷選手から語られる話も深みや厚みがあり、
読み応えでは他の記事を圧倒していらっしゃます。
取材の裏話で語られる大谷選手の人物像も、石田さんの理解度が深すぎ!
石田さんに言語化されたことで大谷選手本人も、
気づいていることが多いのではないかと思うくらいです。
「そんなの、プロだからね!」って思ってしまったら、
永遠に文章づくりは上手になりません。
私たちが真似できること、いっぱいあるんです。
書きたい時は、まず自分への取材からスタート
ブログでもインスタでも、Xでも
とにかく何かを書いて発信したいなら、まずやるべきことは「準備」!
✓誰に向けて書く?
✓どんなことを書く?
✓それはどんなお役立ち?
✓読んだ人にどうなってほしい?
✓どんな行動をとってほしい?
最初にちゃんと考えていますか?
まさか、書くことだけ決めて、すぐにパソコンやスマホの画面に
向かったりしていませんよね?
文章づくりの準備とは、いわば、自分で自分を取材すること。
質問を考えて、答えを用意してメモをつくる。
面倒くさいけれど、手間がかかることこそ上達への王道であり、近道です。
ブログに書くことが浮かばない、いいたいことはあっても
どう書いていいかわからない、などなど……もしも手が止まってしまうなら
事前の準備にちょっと時間をかけてみて。