春の訪れを感じさせる陽ざしのなか、ふと舞う雪に、季節の名残を感じた朝。
一日のはじまりに、父がふと思い出したように声をかけてきました。
「昨日、ケアマネさんが寄ってくれたよ」
在り方までも、温かく
その方は、亡き母がお世話になったケアマネージャーさん。
要支援の認定を受けてから、約2年間(いえ、もっと長くでしょうか)
ずっと、母と家族に寄り添ってくださった方です。
介護サービスの手配や通院の段取り、ディサービスの契約にも同席してくださり、
介護食や退院後の暮らしの相談にも親身に応じてくださいました。
入院中の母のことを、医師からの説明を一緒に聞いてくださったことも、
昨日のことのように思い出します。
母が旅立ったその日。施設の玄関で、職員さんと一緒に静かに涙を浮かべながら、
見送ってくださった姿が忘れられません。
仕事として、という枠をはるかに超えた温かい在り方。
ケアマネージャーという立場から、決して出過ぎることなく、
でもいつもそっと支えてくださっていた彼女の存在は、
家族にとって大きな安心であり、心の支えでした。
「いくら通り道でも、顔を出してくれるなんてありがたいなあ」
笑顔で語る父の表情には、今もその優しさに支えられている様子が見て取れました。
人が生きていくうえで、誰かの助けを借りることは決して特別なことではなく、
当たり前の一部になっている――そう実感させられるような出来事でした。
言葉はだれかの支えになれるだろうか
私の仕事もまた、かたちは違えど、誰かの暮らしにそっと寄り添い、
必要なときに、必要な言葉を届けられるものでありたい。
ライターとして、みなさんの「言葉の力」を引き出し、
必要な人に、必要な思いがちゃんと届くように。
それが、その人の「やりたい」を支えることにつながるのなら、
こんなにうれしいことはありません。
この仕事が、だれかの一歩の背中をそっと押せるように。
今日もまた、想いを込めて、言葉と向き合っていこう。