コピーライターとしての修業時代、制作チームの指揮を執るディレクターに
常にいただくアドバイスがありました。
それは
「触(さわ)れる言葉を使いなさい」
というものでした。
「え⁉ 言葉って触れるの?」って思いましたか?
メールを送る時、誰に向けて送るのか決めてから書きますね。
料理をする時、何を作るか決めてから取りかかりますよね。
電話をする時、相手に何か行動してほしいことがあるから、電話をかけますね。
それでは、文章を書く時「誰に」届けたいのか、決められていますか?
「何を」伝えればいいのか、きちんと用意して取りかかっていますか?
読んでくれた人に、その後どうしてほしいのか、
まだ考えられていないのではありませんか?
お店のキャッチフレーズを考える。
専門家としての肩書きを用意する。
新しいメニューに名前をつける。
そんな時、壁にぶつかる人のほとんどが
「何を書けばいいのかわからない」
「文章にならない」
という悩みを口にします。
子どもの頃から、大の野球好き。
そんなストーリーに、感動が生まれるシーンのひとつにドラフト会議があります。
プロ野球選手を目指す高校生や大学生、社会人チームの選手たちを
各プロ野球チームが「うちに来て!」って、交渉するための権利を
抽選で決める制度です。
その中で、個人的に気になる報道が、毎年繰り返されています。
ある日、「英語力は言い換え力だ」というメルマガが届きました。
「ホントにそうだよねえ」としみじみ。
私の学生時代の専攻は「英語」。
留学生もたくさんいる環境にいたこともあり、英訳も和訳も、
訳したままの意味で文章にしても、実はちゃんと届かないことを
「意訳」って言葉もありますが、どれだけ上手に言い換えられるかが大切なんですね。
例えば、サークル活動を手伝ってくれた留学生の友だちに
「お疲れ様!」はねぎらいになりません。
「あなたのおかげでみんな喜んでくれた」
とか……
「大切な時間を提供してくれてありがとー」
とか……
言い換えて伝えるって、とっても大切だったんです。
これは日々の文章づくりでも、しっかりとあてはまることなんですね。
よくかけられるのが
「コピーライターさんって、難しい言葉もたくさん知ってるんでしょ?」
っていうお声です。
確かに、辞書も愛読書なので(笑)もしかすると、ちょっとだけ多めにストックがあるかもしれませんが
実際にコピーを作るとき、難しい言葉や、耳なじみのない表現は基本的には使いません。
【NPO法人さん向けの文章づくり講座に参加してくださった方が
感想と一緒に質問を書いてくださっていました。
Q:非営利で、「読者がどうなれるか」ということが無いケースが多い。
NPO広報ならではのコピー作成のコツが知りたい。
もしも多くのNPO法人さんが、質問くださった方と同じような
課題を感じていらっしゃるなら、めちゃくちゃもったいないので
参考にしていただきたいと思います。
ここ数年、取材仕事や講座などで、NPO法人さんと関わる機会が増えています。
みなさん、熱い想いをもって仕事に日々取り組まれている様子が伝わってきます。
そんなNPO法人さんって、たいていおっしゃることが
「商品がないから……」
「物販じゃないから……」
「売る物がないから……」
↓
「発信できないんです!」
とんでもない!
実は、NPO法人じゃなくても、具体的なモノがないお仕事は
PRできないから書けないって思っている方は、結構いらっしゃいます。
違うのです。
私に言わせれば、発信するネタの宝庫なんです!
「どうしたら、文章が上手に書けるようになりますか?」
と、よく質問をいただきます。
「上手に」の意味を……
「途中であきらめずに、自分が書きたいことを最後まで書ききれる力」
と決めてみました。
あきらめてしまうのは……
✓文章を書き上げるまでに時間がかかりすぎる
✓書いているうちに、自分でも言いたいことがわからなくなる
✓一生懸命、書き上げても誰にも読んでもらえていない気がする
という理由でしょうか。
そんな風に迷ったり困ったりしているのは
あなただけではありません。
お困りごとを少しでも解消し、文章づくりがラクになって
あわよくば楽しめるようになるために
以下の3つの練習法に挑戦しませんか?
夏から取り組んできた事務所のホームページのリニューアルが
広告をつくる人から、文章を書く人に軸足を移し
文章を書く仕事で培ったものを駆使して
女性の起業家さんをサポートするというお仕事もやってるよーと
きちんと伝えたくて
今一度、ライターとしての自分の想いや、誰にどう役立ちたいのか、役立てるのか
ご縁を頂いた方々にどうなっていただきたいのかなどなど、
日ごろ、起業を目指すみなさんに投げかける質問を、改めて自分に向けることになりました。
いやー、ホントに自分のことって考えてなかったわーと、反省したり凹んだりしながら
「これが言いたかった」「これが伝えたかった」ってことに出会えると
安堵と喜びと、次のステップへのわくわくを感じる……といった気持ちの
上がり下がりを繰り返しながら、リニューアル作業が進んでいきました。